市川国際奨学財団 Ichikawa International Scholarship Foundation

交流活動

9月交流会

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9月12日(木)に、奨学生OBOGと在籍生とともに大阪西淀川区のあおぞら財団を訪問させて頂きました。

あおぞら財団は、大阪西淀川大気汚染裁判での被告企業と原告との和解を機に、
西淀川地域の再生のために努力しあうことを目的として、
和解金の一部を基金とし活動している公益財団法人です。

あおぞら財団から頂いた事前学習資料を参加者それぞれが学んだあとに訪問致しました。
会議室でまず公害地域再生センター事務局長から「西淀川公害について」受講してから、
西淀川公害患者と家族の会から、患者当事者の方と支援者の方からおはなしをうかがいました。
当事者の方、支援者の方と事務局長からのおはなしをお聴きした参加者の想いも掲載していますので、ご覧ください。

おはなしをお聴きし、いろんな想いを抱きながら、地域再生の現状を学びにフィールドワークにでました。
移動手段は排ガスのでないタンデム自転車です。
ペダルをこいで進む楽しさを感じながら、汗をかきかき学ぶことができました。
日頃自転車に乗らない参加者もタンデム自転車は楽しむことができたようです。

あおぞら財団~大野川緑陰道路~淀川堤防~国道43号~大和田~大野川緑陰道路~あおぞら財団

会議室に戻ってきたあと、おいしい麦茶をご馳走になってから、今日いちにちの感想を共有する時間をもちました。
それぞれの専門を有するみなさんが、社会課題に対していっしょに学び意見、
感想を交換するこのような機会がとても価値ある時間のように感じるみなさんからのフィードバックでした。

その後は場所を変えて、研究の進捗などを語り合いながら、懇親を深める時間ももてました!

9月交流会感想

  • あおぞら財団の名前の由来を伺ってから、フィールドワークで町を回っているとき、意識的に空に目をやりました。
    青い空でした。しかし、公害についての講義中に見せていただいた昔の写真では、空どころか、煙で何も見えませんでした。
    私たちが当たり前だと思っているものは、実は当たり前ではなく、多くの人の努力で勝ち取ったものであることをその瞬間、
    改めて実感しました。
    そして、当事者の方に直接お話を伺い、公害のせいで非常につらい思いをされていたことを知り、心を痛めました。
    経済発展と環境保護の両立は本当に難しい問題ですが、やはり様々な分野の人が知恵を集めて、
    考え続けなければならないことだと思いました。
    一人で勉強ばかりして頭でっかちになっていくのではなく、今生きている世界にもっと目を向けて、
    色んな人の話に耳を傾けるべきだという反省を含めて、非常に有意義な時間を過ごせました。貴重な機会をありがとうございました。


  • 今回の見学会では、普段あまり関心を寄せていないことについてたくさん学ぶことができ、とても嬉しかったです。
    まず、1960年代の西淀川では、工業の発展によって大気汚染が非常に深刻になり、
    多くの住民が生涯治らない病気に苦しむという被害を受けたことを知りました。
    公害患者さんのお話から、当時彼らが経験した苦しみと困難を深く理解することができました。長い抗議と裁判の末、
    ようやく被害者たちは補償を受けることができましたが、その補償金の多くを「あおぞら財団」の設立に投じ、
    さらなる大気汚染防止と環境保護を進めるために無私の行動を取った彼らの精神に感動しました。
    その後、私たちは一緒にタンデム自転車でのフィールドワークを体験し、実際に環境保護の取り組みを見学しました。
    私は中古仏教美術史の研究をしていますが、これは現代社会や実際の生活とはほとんど関係のない分野です。
    したがって、今日のように現実の生活に目を向け、市川の皆さんとともに今を感じ、未来について交流する機会を大変大切に思います。
    現実に目を向けることの重要性を改めて実感しました。
    中国も長い間、大気汚染に悩まされてきました。私が住む南部地域ではあまり影響を受けておらず、浙江省の空気の質は常に良好でしたが、
    2018年に初めて日本に来たとき、日本の澄んだ青空に驚きました。
    60年前に、ここも環境汚染で苦しんでいたとは想像しがたいくらいです。
    今年の夏休みには、調査のために多くの場所を訪れました。その中に北京で過ごした一週間はほとんどが青空で、
    数年前まで霧霾の警告が頻発していたことを忘れそうになるほどでした。
    藤江先生のお話では、現在の日本での大気汚染の主な原因は自動車の排ガスだとのことですが、これも数年前の中国と同じ状況でした。
    ただ、近年では多くの新エネルギー車の普及により、この問題は大きく緩和されています。
    このように澄んだ青空に感謝し、環境保護がますます世界の共通認識となり、多くの人がそのために努力していることを感じました。
    今後もきっと状況は良くなっていくことでしょう。
    最後に、私たちにこの活動に参加する機会を提供してくださった市川国際奨学財団、
    そして今回の活動を積極的に企画してくださった大窪事務局長様に、心より感謝申し上げます。


  • 今回のあおぞら財団と西淀川公害に関する研修会に参加し、多くの気づきを得ました。
    私がこれまで研究してきたテーマは主に言語学や教育学に関わるものでしたが、今回の体験を通じて、
    環境保護や公害問題といった普段あまり気づかないことにも目を向ける必要性を強く感じました。
    特に、藤江さんの講義で学んだ西淀川公害の詳細や、その解決に向けた地域住民の長年にわたる取り組みは非常に印象的でした。
    また、公害患者の須恵さんのお話では、個々の生活がどれだけ公害に影響されたかを具体的に聞き、
    私自身も中国での環境汚染問題に対してどのように向き合うべきかを考えさせられました。
    中国でも環境問題は深刻であり、昔の日本と共通する部分が多いと感じました。中国政府にもいろいろな改善策を講じていただき、
    「誰でも取り残さない」社会になってほしくなりました。
    そして、フィールドワークで実際に地域を自転車で巡った際、現場を自分の目で見ることで、歴史的な被害の大きさを実感し、
    これを他国でも繰り返さないために何ができるのかを考えるきっかけとなり、
    できるだけ省エネルギーの交通機関を利用することから始めようと思うようになりました。
    最後の意見交換会では、他の参加者と意見を交わし、異なる背景を持つ人々がそれぞれの視点から環境問題に取り組んでいることを知り、
    自分自身も研究生活の枠を超えて、広い視野を持ち、周囲の世界にもっと関心を持つべきだと感じました。
    今回の経験は、今後の研究や生活にも大いに影響を与えるものとなりました。


  • 先日は、あおぞら財団と西淀川・公害と環境資料館の見学に参加させていただき、ありがとうございました。
    まず、あおぞら財団では、環境保護や地域貢献の取り組みについて学ぶことができ、感銘を受けました。
    スタッフの皆様の熱意と活動内容に触れ、<私自身も環境問題に対する意識を高めることができました。
    次に、公害の歴史やその影響について深く学ぶことができました。特に、公害者の講座は非常に印象的でした。
    彼らの話を聞くことで、公害が実際に人々の生活や健康にどれほどの影響を及ぼしているのかを実感しました。
    その後、双人自行车でのフィールドワークも楽しかったです。自然の中でのサイクリングはリフレッシュでき、
    また、川沿いの美しい風景に触れることができました。サイクリング中に、以前はゴミが積まれていて汚染がひどかった場所が、
    今ではすっかり整備されて晴れやかになっているのを見て、複雑な気持ちになりました。
    今後は環境の維持にさらに注意を払っていきたいと思います。淀川の自然と環境の大切さを再認識する貴重な体験でした。
    皆さんと一緒に夕食を共にしました。このような機会を提供してくださったことに、心より感謝申し上げます。
    全体を通して、とても充実した一日であり、多くの学びと気づきを得ることができました。
    今後も環境問題に対して積極的に関わり、学びを深めていきたいと思います。
    改めて、貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。


  • 「水俣病」や「イタイイタイ病」などの公害病については、昔教科書で学んだことあるが、名前を知っている程度でした。
    実際にその背景や被害の詳細を深く理解する機会はあまりなく、正直なところ、これらの公害がどのように社会に影響を与えたのかは、
    それほど考えたことがありませんでした。
    今回の見学では西淀川公害に関する講義を聞き、さらに公害患者さんのお話を伺い、
    身近の西淀川で起こった公害とその健康被害がいかに深刻だったかを初めて知りました。
    タンデム自転車で地域をまわる時、西淀川にはきれいな青空が広がっており、
    大気汚染がひどい公害の町と言われた過去があるとは思えませんでした。
    数十年にわたる努力によって環境が改善された西淀川と、現在は幸せな老後を過ごしている公害患者さんの姿を見て、
    とても複雑な気持ちになりました。
    歴史から学ぶことは大事であり、私たち若い世代も公害や環境問題に真剣に向き合うべきだと感じています。


  • 先日、あおぞら財団による見学に参加しました。今回の見学では、西淀川公害患者と家族の方から当時の経験を直接伺う機会がありました。
    話を聞きながら、その方々がどれほどの苦しみを経験したのか、そして長い年月を経て今もなおその記憶を大切に語り継いでいることに、
    心から深い感銘を受けました。
    特に印象的だったのは、当時の公害が引き起こした健康被害や生活の苦難についての具体的なエピソードです。
    彼女が語った痛ましい回想は、公害が健康や日常生活に及ぼした深刻な影響を実感させるものでした。煙や汚染物質による影響が想像以上に深刻で、
    私たちが普段当たり前に享受している清潔な環境や空気が、決して当然のものではないことを強く実感しました。
    しかし、それだけではありません。現在、彼女は積極的ににしよど音楽祭にも参加し、楽しんでいるとのことでした。
    音楽祭で見せた彼女の幸せそうな笑顔は、過去の困難を乗り越え、今を大切に生きている姿を象徴しているように感じました。
    あの笑顔が印象的で、私の心にも温かさが広がりました。
    見学が終わった後、私たちは自転車に乗って現在の西淀川の町並みを巡りました。緑豊かな街並みを進む中で、
    かつての公害の影響を感じさせないほど美しく再生された姿を目の当たりにしましたが、その美しい風景の裏には、
    長い歴史の中で多くの人々が努力し、苦しみを乗り越えてきた歴史があることを忘れてはならないと思います。
    今回の見学を通じて、環境問題は過去の話ではなく、私たち一人ひとりがこれからも向き合っていかなければならない課題であると強く感じました。
    未来の世代にこの美しい地球を引き継ぐためには、私たちもできることを考え、行動していかなければならないと決意を新たにしました。


  • 私は経済成長と環境保護のトレードオフについて研究しているため、公害と大気汚染問題に対してすごく関心を持っています。
    そして、大阪西淀川大気汚染裁判事件から生まれたあおぞら財団はまさに環境保護という分野の先頭に立っていると思っています。
    公害患者さんとの対話を通じて、大気汚染が人々の日常生活と健康状態にどれほど恐ろしい影響を与えますか実感しました。
    そのため、環境保護の重要性をさらに意識しました。充実したイベントの中、一番印象に残ったのは「西淀川公害について」の講義です。
    講義によって、西淀川公害の歴史、現状と未来、そして、大気汚染を改善するためどのような努力と具体的な対策を講じられたについて勉強しました。
    その中、海辺に新しい道路を建設し、西淀川の車を海辺に誘導する政策がありました。
    この政策はできるだけ経済発展に影響を与えずに自動車排気ガスの排出量を削減することを狙って、多くを学びました。
    今非常に流行っている経済課題は経済発展と環境保護の両立です。この政策が実際に採用されていることを知り、大変勉強になりました。
    他方、フィールドワークにもとても楽しみました。
    学生同士及び財団の役員と一緒にタンデム自転車で大野川緑陰道路から淀川堤防などを経由してあおぞら財団に戻った路線に沿って、
    沿道の風景を楽しみながら、西淀川地域についての理解を深めました。過去と現在の対比を見ると、とても衝撃を受けました。
    今回はあおぞら財団の見学に参加できて本当に良かったと思います。
    今後は、あおぞら財団から学んだ理念を活かして将来の研究活動に引き続き取り組んでいきたいと思っています。