市川国際奨学財団 Ichikawa International Scholarship Foundation

奨学生の声

修了するにあたって

  • CHOI EUN SOL

    2018年4月から貴財団の奨学生としてご援助をいただきはじめ、もう修了を迎えることになりました。財団の奨学金支援のおかげで、経済的な心配なく研究に専念ができ、余裕がある生活ができたので大変助かりました。

    経済的な支援がなかったときは、本当に悪循環の続きでした。日本で生活や研究をするにはお金が必要でバイトをしなければならいが、その分研究をする時間が少なくなるので研究成果が出なくなります。研究成果が良くないと奨学金などの学校からの支援を受けれないのでバイトをやめれないことになります。このサイクルの反復でしたが、市川財団からの援助のおかげでこの悪循環を切ることができました。経済的不安がないのでバイトを減らし、研究や日本生活に時間をかけることができました。

    また、市川財団で開催した交流会で様々な出身の友達ができ、社会的な問題について討論することができました。国による違いや文理系による違いも自由に述べることができ、とても貴重な時間でした。研究スケジュールと被ってしまい、すべての研修会に参加することはできませんでしたが、研修会では一人で経験できないところも行くことができました。さらに研修会後の懇親会で自由にディスカッションしながら感じたことを共有することができて嬉しかったです。

    最後に、市川財団で貴重な縁を出会ったので誰よりも市川財団および大窪さんに感謝の気持ちを持っています。市川国際奨学財団の運営と発展を心から応援していきたいと思います。1年間本当にありがとうございました。
    (平成31年3月修了)

  • KANG BYUNG JUN

    2017年4月から2年間、市川国際奨学財団に選ばれ、奨学生として奨学金を受けつつ、様々な経験をさせて頂きました。このことについて心から感謝の気持ちを申し上げ ます。

    あっという間に2年という時間が経ちました。いつも感じることですが、時の流れは非常に速いです。今から2年間の時間を振り返ってみると、本当に色々なことがあったなと感じられます。最初の研究プレゼンを初め、世界人権問題研究センターでのセミナー、平和ミュージアム訪問、ユニバーサルマナー検定、雨森芳洲について、世界遺産「熊野古道」、最後に人と防災未来センターへの訪問まで、留学生の立場では中々難しいことを、財団のおかげで多く経験することができました。この中でも、ユニバーサルマナー検定が印象に残っており、あれをきっかけで体の不自由な方に対する考え方が大分変りました。今後の奨学金たちにも、ユニバーサルマナー検定はおすすめです。また、研修会への参加を通じて、様々な国からの留学生たちと絆ができました。お互いの留学生という身分で、気が合う話が多くでき、さらに、今まで知らなかった各国の情報や事情も学べました。人間関係が大分広くなったような気がします。これからもこの絆を大切に持っていきたいと思います。

    私は今年で博士課程の3年目を向かいます。卒業まであと1年です。残りの1年は博士号を取るために、今までより熱心に研究に取り組み、かつ、約10年間の留学生活の有終の美をなすように頑張ろうと思っています。私の将来像は、現在行っている自分の研究を社会貢献できるレベルに持っていき、母国である韓国も、人生の20代を過ごした日本も、更には多くの国の人々に役に立つ研究者になることです。どこで活躍することになるか未知ですが、どこにいても日韓の両国が発展できる方向に進めていきます。

    市川財団の奨学生はこれをもって終了することになりますが、これからはOBとして活躍していきます。今後開催される交流会や研修会に参加させていただき、奨学生の頃とは異なる、OBとしてできることを次の奨学生と一緒にやっていきたいと思います。

    2年間の間、本当にありがどうございました。これからもよろしくお願いします。
    (平成31年3月修了)

  • ベンジャマノ アピナット

    市川国際奨学財団の奨学生として採用していただき、あっという間に1年間を経ちました。市川国際奨学財団の援助のおかげで、経済的な負担が減らし、研究や勉強に集中することができました。心から感謝しております。

    人が適切な状況で他人の考え・価値観・意見を交わすことで成長していくと私は強く考えます。市川国際奨学財団の奨学生になり、様々な国と分野の友達と出会って、心がワクワクで楽しく交流ができました。私たちが気付いているかもしれないが、市川国際奨学財団が開催した研修と交流会を参加することで日本だけでなく他国のことの知識が少しずつ自然に習得することができたのではないかと思います。

    もちろん留学生の間の交流だけではなく、研修会では様々な経験を持つ日本人と交流することもありました。今年度の研修会や交流会は、熊野古道の道普請、神戸の震災からの復興と防災の研修、広島の平和資料館訪問、象印マホービン会社の忘年会などが挙げられます。

    それぞれの研修会で、各地の市民や専門家と話し合うことができました。神様・信念に関する話、震災の被害者を支えるボランティア活動、原爆の恐ろしさ、楽しい会社のクリスマスパーティーなど、多方面の「日本」を体験することができました。これほど豊かな参加しきれないくらいイベントが開催されて、留学生の私にとっては、大学では絶対に体験できない、もう一つの学ぶ場所です。自分が「日本」のことを様々な視点から学ぶことができたと思います。

    最後に私は大学院の終了、とともに市川国際奨学財団の奨学生を修了になり、学生から大人になる新たな旅に立ちます。まだまだ未熟な私ですが、大学で学んだことももちろん、市川国際奨学財団での体験も活かして、社会に役に立つように頑張りたいと思います。この1年間の素敵な思い出を本当にありがとうございました。
    (平成31年3月修了)

  • ヨットモーン

    2017年4月から2019年3月までのこの2年間、市川奨学財団の小学生としてご支援いただきありがとうございました。もし、ご支援がなければ、私は留学生として海外に学ぶ機会を持てなかったと思っております。

    いただいた奨学金で良い業績と成績が取れるようになり、もし問題がなければ、今年の9月には博士(後期)課程を取れると考えております。

    採用していただき、安心して自分の研究に専念することができるわけではなく、財団の研修会(広島や熊野古道など)、発表会、課外活動などにも参加することができ、充実した大学生活を送ることができました。

    今年9月からは日本のどこかで研究者としての道を歩みたいと考えております。今までの研究してきたことと多少は関わりのある分野の仕事を探しています。将来、私は東南アジアに戻り、研究を通じて東南アジア諸国の経済・社会開発に貢献したいという気持ちが芽生えています。

    市川国際奨学財団への感謝の気持ちは言葉で言い表すことができません。心より御礼申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
    (平成31年3月修了)

  • 王躍

    去年の3月を振り返ってみると、まだ就職するか進学するかに迷っている私だったのです。そして、いずれの道にしても、経済的に高い費用がかかりそうなため、アルバイトをしながら学生生活を続けていかなければならないと思っていました。

    ところが、その時に、困っている私に手を出してくださったのは市川国際奨学財団でした。私は奨学生として一年間市川国際奨学財団のお世話になりました。その間に、大きく以下3つのことを収穫しました。

    1、市川国際奨学財団のおかけで、精神的に心強くなりました。奨学金を頂けることは自らの努力が認められたと考えています。それはその時に将来の進路について迷っている私にとって、ポジティブなエネルギーになりました。私は勇気を出して、未知な将来に向かって頑張ることができました。おかげさまで、希望した就職先で仕事が決まり、望みのある将来は迎えてきたのです。

    2、市川国際奨学財団の交流活動を通して、日本の文化への理解を深めたのみならず、異なったバックグラウンドをもっている方々とコミュニケーションがとれて、多様性が感じられ、視野が広がりました。この一年間、財団は1ヶ月ごとに、多種多様なかたちで見学活動や食事会を行なってくださいました。それを機に、世界中から来ている方々とお会いできました。彼らとの話を通じて、違う考え方や生活の仕方がわかり、今までに自分が考えたことのないことに触れてきました。彼らとの付き合いは本当に素晴らしい出会いだったと思います。

    3、市川国際奨学財団から経済的な支援をいただいているため、学業や就職活動に専念することができました。私は大学院に入ってから、両親に仕送りをもらうのは恥ずかしく感じはじめました。しかし、修士一年目の後半から、就職活動をやり始め、交通費などさまざまな方面で予算が増えたため、それまでの生活を支えられた費用だけでは足りなくなりました。ところが、財団から奨学金をいただいたことによって、私は時間をもっぱら専門研究や就職活動や興味のあること等に使うことができました。その結果、優秀な研究成果を出し、就職先も順調に決まりました。

    本当にこの一年間は市川国際奨学財団のお世話になっておりました。今後とも財団での経験を生かし、自分の専門領域で活躍していきたいと思います。
    (平成31年3月修了)

  • Tzuyao TAI

    この度は、市川国際奨学財団に採用していただき、心より感謝しております。その蔭で、経済的な負担が減り、時間的余裕を持てるようになり、勉学に専念できました。特に、これまでアルバイトの関係で参加できなかった学会や研究発表などに、積極的に参加することが可能になりました。そこで、多くの研究者に出会って切磋琢磨する機会が増え、研究の質を上げることができました。

    また、研究以外にも財団が定期的に設けてくれさったイベンドを通じ、道普請、防災、そして様々な普段日本人でもあまり経験できない日本伝統文化などの体験で、日本文化やその精神を学ぶことができ、非常に貴重な経験になりました。

    さらに、人権、平和などの様々なテーマについて、大窪様をはじめ財団の方々、OBOGの奨学生、在籍生と意見交流・議論することで、相互に刺激を与え合い、視野が広がりました。そこで、自分が如何に多文化共生社会に貢献できるかを考え、より一層努力していく必要があると実感しました。

    4月からまるでひとつの大きな家族のような市川国際奨学財団から離れ、関東で就職することで非常に寂しく感じております。これからもこの繋がりや思いを大切し、市川国際奨学財団の奨学生という名に恥じぬよう、社会に還元できるように励んでまいりたいと存じます。

    最後になりましたが、1年間に渡ってご支援して下さった市川国際奨学財団に、重ねて心よりお礼申し上げます。
    (平成31年3月修了)

  • 楊秋野

    去年の四月から市川財団の奨学生となった以来、財団から経済的な援助を受けるだけでなく、さまざまな活動で友達を作り、日本の文化や日本人の考え方、人との接し方についてもわかるようになりました。心より市川財団に感謝します。

    奨学生になる前にすでに3年間日本で暮らしたが、勉強や研究に集中しており、周りに日本人の大学院生も少ないから、食事のときの注文のほかに、日本人との交流をほとんどしませんでした。たまに法律に関する仕事をしましたが、証拠などを見て法律意見書を出すにとどまり、依頼人と直接的な連絡や、関係者からの証拠収集などもしていませんでした。このようなひとりぼっちの生活は、市川財団の奨学生になってはじめて終わりました。市川財団の開いた研修会、食事会などを通じて、奨学生同士との関係を築き、人との接し方に対する理解をも深めた。とくに、毎回の活動でかならず自己紹介やそれより難しい感想の話し合いをしなければなりません。それは普段正式な場合で人前であまり話したことがない私にとってチャレンジです。大学の授業では発表があるが、その原稿がすでに指導先生に修正されたものだから、発表のときで原稿の内容をそのまま読めばよい、しかも発表内容に興味を持ち、それを聞く学生も少ないから、あまり緊張の感じがしません。これに対して、財団の活動では話す内容を準備する時間があまりないし、話しているときにもみんながちゃんと聞いてくれるから、授業の発表より難しいと感じます。しかし、それを何度もしたから、緊張はしますが、それが恐ろしいことではないと感じるようになった。奨学生になるまえにも研究者を目指していたが、日本人ではないから、日本での就職がまったく考えられていませんでしたが、財団の活動で成長した私は、日本で研究職を探し、大学教授になって日本人の学生に授業を教える勇気を持つことになる。もちろん、日本人すら研究職を見つけることが難しい背景では、僕が成功する可能性がわずかですが、チャレンジしないままあきらめるのは市川財団の精神に反するだろう。

    市川財団は私に援助をしたことは、恩である。だが、この私はどのように恩返しするかがいまはよくわかりません。ところで、最近の中国のニュースで有名な芸能人が貧乏な大学生を援助したが、その大学生が恩のことをまったく考えず、もともと社会に経済上の不平等があるからお金をくれたのは当然だと思い、高級品を買うためもっと高い金額を要請した(ある意味で強要)。しかし、社会に様々な不平等があるけれども、不平等の問題を解決する義務を負うのは政府である、金持ちではないと思います。これから恩返しのチャンスがあるかが分かりませんが、すくなくともいまは、自分の研究に専念し、日本の学術界に貢献したいと思います。
    (平成31年3月修了)

  • 石 理瑒

    採用式は目の前のことであるようと思いますが、もうあっという間に1年を過ぎました。本当に幸せな1年間でした。

    大学院1年生の時から、アルバイトと学業の両方に苦慮をしていました。市川国際奨学金財団の支援から、この1年間、日本文化の体験や奨学生間の交流など様々なことをさせて頂きました。振りかえってみると、充実な大学生活でした。

    去年、色々な大学の院生と博士と出会いました。自分の分野と違う専攻の方とたくさんの専門的な知識のことを話しました。立派な人間と出会って、自分の視野も広がることができます。大学の先生はもちろん、市川国際奨学財団からの支援もあったからこそ、今の自分はここにいます。一番勉強になったのは、色々なところで、自分の目で確認することです。特に、広島の平和記念資料館、有意義な時間を利用し、たくさんの話をできました。自分の人生にとって、とても貴重な経験でした。旅行として行くところ、と財団の皆様と一緒に行くところ、気分と立場全然違うと思って、得た知識も違うと考えています。「阪神・淡路大震災記念 人と防災センター」訪問し、再び、日本の災害について、畏敬の念を起こした。また、災害後、危機対応のことを知りました。

    今は無事に卒業しました。自分の研究テーマは「子どもの性的問題行動に対する児童養護施設の職員の意識」です。未来は、日本の子どものために、もっと頑張りたいと思います。今年から就職活動をするので、素晴らしい仕事を見つけるように、祈りします。

    最後、財団のお陰で無事に卒業の夢が現実になることが心から感謝しています。貴重なご縁を、ご援助をありがとうございました。 今後とも宜しくお願い申し上げます。
    (平成31年3月修了)

  • 杜 依濛

    後期課程二年生の頃より奨学生として採用していただいた、神戸大学経済学研究科の杜依濛です。この度は、平成31年3月をもちまして、市川国際奨学財団を修了することとなりました。この二年間のことを振り返ると、時の流れの早さに驚きました。市川国際奨学財団の奨学生としていた2年間、たくさんのお友達ができ、忘れられない思い出もたくさんできました。

    財団成立30周年の記念パーティー、新年会やクリスマスパーティーでは、アットホームな雰囲気の中で、たくさんの素敵な仲間と出会いました。奨学生により開催された研究内容発表会では、今まで一切触れたことがない研究内容について知る機会が増え、異なる分野から知識を得ることができました。「四日市公害と環境未来館」の訪問や、「世界遺産・熊野古道」の保全活動などの交流会が開催されたことにより、たくさんの貴重な経験を得ることができました。専門分野が環境経済学であるため、環境問題や保全活動について関心を持っている研究者としては、これらの活動で学んだ知識を用いて、途上国の環境汚染問題の改善や自然環境の保全活動に貢献し、四日市公害と同じような悲劇が世界の他の国で二度と起こらないように努力したいと思っております。

    財団の手厚いご支援を頂いていることで、経済的なわずらいから自由になり、研究に打ち込むことができ、その成果を毎年に開催された日本国内の研究会や国際学会で発表しました。そして、後期課程を修了するまでに、自分の研究成果を環境経済学分野においてのトップクラスのジャーナルに掲載できたことも、財団の方々が支えてくださったおかげです。

    後期課程修了後に、京都大学経済学研究科の特定講師として勤める予定です。これからは、大学の教師として、洞察力、思考力と創造力を持っている人材を育成することを目指し、そして、環境問題に関わるさらなる有意義な研究活動も行いたいと考えています。

    今後とも、感謝の気持ちを込めて、市川国際奨学財団の方々との大切なご縁をますます深めていきたいと思います。2年間の間、大変お世話になりました!
    (平成31年3月修了)